ピーピーモブラー｜PP mobler 買取

1953年にデンマークの家具職人の兄弟2人により作られた小さな家具工房からスタートした【PPモブラー/PP mobler】
この“PP”から始まる社名は、創業者兄弟アイナー・ペダーセンとラース・ペダーセンの頭文字「P」と、デンマーク語で家具の意味を持つ「MOBLER」から由来しています。
ユニークな名前のこの工房は、現在では世界中から職人がその門をたたくほどの北欧家具の名門工房へと成長しました。
PPモブラーを“名門”に押し上げたのは、その生涯を北欧家具に捧げ、最も多くの作品を残してきたと言われる椅子の巨匠“ハンス・Ｊ・ウェグナー”というデザイナー。
ウェグナーと創業者のアイナーとの最初の出会いは、PPモブラーが「APストーレン」社の下請けとしてウェグナーの「ベアチェア」の骨格部分を製造していた時でした。
ベアチェアの骨格部の目に見えない部分を、卓越した技術と職人気質で最高のモノに仕上げる姿勢。
ウェグナーは、PPモブラーが持つ高い技術、そして使用する素材に対する徹底的な理解と、それに妥協を見せない姿勢に深く共感し、創業者のアイナー・ペダーセンと共同作業を開始。
これがハンス・Ｊ・ウェグナーとPPモブラーの歩みの第一歩となったのです。
ウェグナーのデザインとPPモブラーの職人による妥協を許さない生産技術、そして彼らのこだわりと情熱で、歴史に残る数々の名作を誕生させ、PPモブラーを北欧デザイナーズ家具の名門へと昇華させていきました。
PPモブラーが最もこだわり、そして他のメーカーとは一線を画すのは、材料である“木”と“森”への敬意。
同社が扱う木材の多くは、樹齢100年以上かつデンマークとドイツに広がる、持続可能な森からやってきます。
新しい木を育てるためにPPモブラーは木を根っこから抜き採る。
木を伐採すると根っこが土に残り、やがて朽ち、新たな木が育ちませんが、抜き取り苗木を植えることで同じ場所で新たな木を増やす事ができるからです。
長きに渡って使える家具という理念を大切にする同社は、木が生きた年月と同じ、もしくはそれ以上の期間、家具として使用できるよう家具づくりを行っています。
環境に配慮し、木と仕事をし続けるために同社が頑なに守る理念です。
また、木材の消費を最小限に抑え、無駄にしない為、同じ木から取られた材を使用。
同じ木から取られた板の経年変化は、数十年経っても同じで、美しさを損なわないようにとの願いも込められています。
PPモブラーを代表する作品のひとつで、プレジデントチェアとしても知られる「PP501 ザ・チェア」。
当初、ウェグナーは「ラウンドチェア」と名づけ、1950年にコペンハーゲンで行われた展示会で発表されましたが、当時としてはあまりにもシンプルだった為「みにくいアヒルの子」と評され全く売れませんでした。
しかし、1960年のアメリカ大統領選でのケネディとニクソンの伝統的なテレビ討論会でこの椅子を使用されたことにより世界中から注目を集めました。
数多くのウェグナーの作品の中で「最も完成度が高い」といわれる美しさと、ドラマティックな逸話で世界中から愛され、「椅子の中の椅子」という敬意を込めて「ザ・チェア」という愛称がつきました。
現在に至るまで、デンマークの女王マルグリーテ2世やアメリカのオバマ大統領などが公式使用するなど、品格あるスタンダードチェアとして世界中のセレブリティに愛され続けている名作中の名作です。
今もなお「ピーコック・チェア/PP550」や「PP701」など、歴史に名を刻む傑作を初めとしたすべての製品の全工程を、デンマークにある自社工房で行い、職人の手仕事で高品質な家具を製造しています。
材料への揺るぎない敬意、日々の仕事の中で高められる技術のもと、何世代にも渡り使い続けられる名作を作り出す【PPモブラー】の基盤には、木材や環境への深い造詣と天然素材への弛まぬ関心と追求があります。
【PPモブラー】は時を経てもなお美しく機能的な、生涯を通して付き合う価値ある逸品を生み出す家具の名門工房です。